The Scene /Arnis Balcus

ラトビアの首都リガ生まれのドキュメンタリー写真家。ラトビアで拡大するユース・オルタナティブ・サブカルチャーを追った革張りの写真集。

70年代後半にパンクから派生したゴスや、ブラックメタル、ハードコアにメイクや攻撃性の点で近接するこの新しいシーンは、音楽のみならず社交や創作活動全般のプラットフォームであり、若者がアイデンティティを主張するためだけでなく、社会に対する抗議の方法と分かちがたく結びついている。

サイバーシジリズムタトゥーが日本でも流行するなどダークで退廃的なスタイルは世界的に同期するフィールが見られるが、ロシアと国境接するラトビアにおいては侵攻の可能性と移民圧力の不安、増大する国防費とNATOやEUからの支援が打ち切られるのではないかという不確実性に直面しており、89年にバルト三国の市民が手をつないだアクション「歌う革命」を契機に91年に独立を奪還した彼らにとって、現在ウクライナで起きている脅威は悪夢の再来なのだ。

ヤーニス・ヨニェヴスの青春小説『メタル‘94』がEU文学賞(2022)を獲得しベストセラーになるなど、注目されるラトビアのシーンは自由と権利への支持、他者への理解を深めようとする意識と連動して加速している。

本書はアルル・フォトブック・アウォード『The Author Book 2024』部門で最終候補に選ばれました。
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240 pp
21.0 x 29.0 cm
hard cover with leather, offset printing
edition of 400
published by Kultkom in 2024
https://www.instagram.com/arnisbalcus/
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2016年設立。茨城を活動中心にするZINE出版レーベルです。
様々なアーティストとの共同作業を通じて、数量限定の 現代美術 / 写真のZINEをリリースしている。